むし歯とは
むし歯は、口の中に無数にある細菌が歯の一番堅いエナメル質を溶かしてしまうことからはじまります。食べ物の残りが歯に残っていると、細菌がそれを分解し歯垢を形成します。歯垢が歯の表面に蓄積されていくと酸が発生し、この酸が歯を溶かしてしまうのです。エナメル質が溶けてしまうと象牙質、歯髄へと進行し、痛みを感じるようになります。
多くのむし歯は、治療をしないと自然に治ることはありません。ですから日々の正しい歯磨きと生活習慣が大切であることは言うまでもなく、少しでもしみたり、痛みを感じたらすぐに歯科医師に診てもらうことをおすすめします。
むし歯の原因
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細菌
歯に付着しているプラークや歯石は細菌の塊なので、放置するとむし歯菌が繁殖し、酸を作り出して歯を溶かします。
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糖質
糖質はむし歯菌のエサです。お口のなかに糖質がたくさんあると、むし歯菌が増殖し、酸を作り出したり、菌の代謝物によってプラークを作り出したりするのです。
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歯質
遺伝的な歯質や唾液量によって、むし歯のなりやすさが変わります。また、歯並びや食生活、日頃のブラッシングにも影響されます。
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時間
食事中はお口のなかが酸性に傾きます。そのため、ダラダラと長時間食事を続けていると、むし歯リスクが高まります。
むし歯の特徴
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C1
エナメル質のむし歯
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C2
象牙質のむし歯
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C3
神経に達したむし歯
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C4
末期のむし歯
エナメル質は固いので歯の表面では広がらず、歯の内側でむし歯が広がるという特徴があります。
そのため、痛みがなくてもむし歯が進行している可能性あります。
歯髄保存療法
歯の神経と言われる「歯髄」を残せるか、残せないかの判断が大事
歯がしみる、ぐらぐらする、噛み合わせがおかしい、歯ぐきが痛いなど、さまざまな自覚症状があります。原因として、むし歯、根尖病巣(歯の根元付近にできる病気)、歯の破折、歯周病などがありますが口内疾患の90%は細菌由来、残りの10%は噛み合わせなどバランス等の問題といわれています。つまり、病原菌を無くすことで疾患の90%は解決できることになるのです。それでも改善されない場合は、噛み合わせや、本人も気がついていない寝ている間のくいしばりなど、歯に必要以上の力が加わっていないかバランス、アレルギー等を調べていきます。
当院では、セレック等の新しい治療法により、歯髄温存法を可能な限り実践しています。
根管治療
(歯を抜かないための治療)
重症化したむし歯は、歯の根元の奥にある歯髄までむし歯菌に侵されています。歯の根元には「根管」という血管や神経が集まっている、細い管状になっている部分があり、そこが細菌に汚染された場合、神経を抜き、根管内を洗浄する治療が必要です。これを根管治療といいます。
むし歯になる前に防ぐには
「歯が痛くなったので歯医者に行く」と考えている方が多いでしょう。しかし、近年では、むし歯が発症してから歯医者に行くのではなく「むし歯を予防するために歯医者に行く」という方も増えています。むし歯を早期発見・早期治療するためにも、歯科医での定期検診は有効な方法なのです。